ルーエ花本です。 休日の午後をただならなくすべく、 春陽文庫「D坂の殺人事件」を手にとりました。 全く多賀新の銅版画が網膜をチリチリさせます。 吉祥寺一ゆるやかな時が流れているミステリ専門古本屋 「そら屋六進堂」→ http://d.hatena.ne.jp/Ken-ichi_Y/で購入したものです。 乱歩のおもしろさは、なんなのか。 ズバリ「わかりやすい」。 それに尽きるのではなかろうかとおもうわけです。 伏線の張り方、回収の仕方が明確でフェア。 その説明っぷりは時に過剰なくらいなのですが ぼくのようなミステリにうとい人間にはとてもありがたい。 1編目の「何者」がまさしくそんな感じ。 ミステリとしてのわかりやすさもさることながら、 変態趣味の提示も実にストレートでわかりやすい。 2編目「D坂の殺人事件」の有名なオチがまさにそんな感じ。 3編目「一人二役」この短編がまた実に愛らしい。 ちょっとくすんだ星新一みたいな話である。 そして「算盤が恋を語る話」! この短編は今回初めて読んだのですが、 (乱歩っていろんなとこで、いろんな人が傑作選的なもの編んでたりしますから) 最強にもの哀しいストーリーだったのですね! タイトルは当然の如く見知ってたのですが、 まさかこんな話だったとは、、 悲恋ものが好きな人は読むべし かな(?)
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ルーエ花本です。 河出文庫「箆棒な人々」竹熊健太郎 がふるえるほどおもしろかった。 昭和サブカル史のエッジの部分で 妖しすぎる光彩を放った4人の男のインタビュー集。 康芳夫 石原豪人 川内康範 糸井貫二 濃すぎて全然要約できないので、 とにかく読んでない人は読んでほしい。 康さんは、暗黒プロデューサーとしての噂、逸話はいろいろ 知ってはいたがこんなに理知的に社会を捉えている人だったとはな~ と生意気な感心をしました。 石原豪人は同じく河出書房から出ているらんぷの本の画集を 愛読してきた好きな画家の一人。 インパクトと野性味と色気が渾然一体となったエネルギッシュな画風は 強烈な印象を残すのですが、美術史には残らない。 大衆の脳裏にはトラウマすら残すのにねえ。 そんな豪人先生の戦時中の話の中で 要所要所に意味不明なエロ話が登場するのがすごく笑える。 川内康範のことは、ごくごく一部しか知らなかったのだな、 と驚いた。戦没者の遺骨を拾ってくる運動に携わってたり、 憂士として大物政治家とわたりあってたり、 あのコワモテは伊達じゃあないなあ。 そしてダダカンこと糸井貫二! 全裸の超前衛芸術家。 こんな強烈な人がいたとは、、 過激が度を越して神聖になってしまう。 これまた美術史に残らないハプニングの金字塔的存在だ。 全く4人ともありえない人生を送って 独自の哲学を築き上げているのが真にかっこいいです。 竹熊さんがまたそれぞれの対象を リスペクトしているのが、いい具合の雰囲気になっている。 特にダダカン編。ほぼ取材拒否のダダカンを なんとか自宅訪問取材にまでこぎつけ、 同志として語らうに至る。すばらしい。 真冬の仙台で暖房のないダダカンの部屋。 手土産は缶詰と電気毛布。 こたつで話す二人。 結びでダダカンは語る。 「今でも、別れた最初の妻とセックスをする夢を見るのです。~~~」 この締めかたがシビれる。 非常に詩的ななにかを感じます。 いいもの読みました。
ルーエ花本です。 このところすっかり出無精になっていたぼくですが、 どうしてもタナカノリユキの「100ERIKAS」を 観たくなってしまって久方ぶりに木場の現代美術館に行ってきました。 でかくて広くて天井高くて人口密度が低いからここは好き。 で、エリカ様。 えもいわれないので えもいいませんけど 沢尻会に入れるのなら入れてもらおうと決意。 そして件の「四角いふうせん」 超でっかいあのふきねけの空間がほとんどうまってしまうくらいの 規模の巨大インスタレーションだ。 これがぼくはすっかりワイヤーで吊ってるのかとおもったら ヘリウムでほんとに浮かしてるとのことでびっくり。 無邪気な青年を装って学芸員の人に確認したのです。 あと良かったのは ブラジルのネトって人のクッションと服が一体化したような へんなクッション?ってか服?ってか。 実際にまとってみてよい作品のようでえらく薄汚れた その代物を実際にまとってみました。 これは、、 欲しい!! 商品化熱望ですね。 あと良かったのは 今見かけることの少ない公衆電話ボックスを利用した作品。 中はマジックミラーで覆われていて入ると自分しか見えません。 外からは丸見えです。 で天井でミラーボールが回転していて、 ヘッドホンをつけるとダンスミュージックが流れてます。 まあそれだけですが、これをどっかの街中に置いて 使用している映像作品はけっこう笑えます。 そんで全然知らなかったんですが、 岡本太郎の超大作「明日の神話」を展示してて観ました。 最近どこかで「ゲルニカ」と「明日の神話」を全否定する おもしろい論考を読んだ気がするんですが、 何だったかな~ この前のプリンツ21の「山口晃」だった気もするが違う気もする。 でおもいきって板橋に出てブルーノ・ムナーリ展を 観てこようともしたんですが、 せっかくいい天気だし清澄庭園でしょう。 将来東京の公園ミシュランを作るのがぼくの夢なのですが(嘘) ここはかなりランク高いかな。 ポイントは池ですね。 井の頭公園より池が近い。 たけし城の竜神池みたいに石をピョンピョン渡れるのがイイ。 そんな休日でした。
ルーエ花本です。 宮田珠巳「ときどき意味もなくずんずん歩く」幻冬舎文庫 を読了。 ぼくは宮田さんの本が文庫になったら全て買うことに決めました。 超おもしろいです。
ルーエ花本です。 昨夜草木も眠る丑三つ時をとうに過ぎたくらいの時間に 突如沈黙を守りがちな携帯電話が鳴り、 何事かと眠け80%で出てみると、 リブロの筒井さんでした。 訪問していいかと問う、 なにやら断わってはいけない只ならないオーラが見えたので 好々爺のようにどうぞどうぞと、 鍵を開けて玄関を灯して待つ。 ほどなく登場したのは、 ほろ酔いの筒井さんと同じくリブロの鈴木さんでした。 特に名は伏せません。 主にショートソング、朝日新聞掲載に快哉を叫び、 ビールをあけ、筒井さんは芋焼酎をあおるのでした。 あれよあれよという間にロレツとあとなにかが怪しくなりながら、 なにかいろいろな話をしたような気がします。 ぼくは翌日たる本日早番出勤をぎりぎり勤めあげ、 あがって新宿にてショートソングのオリジナル帯をコピーし、 本日休日にて午前中をなぜかぼくの部屋で満喫した お二方の職場を訪ねる。 許可をいただいたものの他店で帯を巻いてる挙動不審な男がそこに。 そんなリブロのショートソングフェアは、ナイスな工夫がほどこされていた。 枡野さんにもらったサイン入りのポストカードがあります。 ぼくはこれをショートソングを買っていただいたお客さんに レジで先着順に渡していく形式をとっております。 リブロの場合は裏表紙にポストカードの表がくる形で シュリンクがしてあり、通常版とカード付き限定版を並べて アピールしているのです。 で、その帯付け作業をしている折に、お客様に(もちろんリブロのね) 「この限定版はカード付いてるんですね?」 と問い合わせを受け 「そうです、サイン付きでございます」 と笑顔でかえすと、あら不思議、 お客さんレジまっしぐら。 いや~、こりゃ一本とられた。 そんで部屋に帰るとサプライズ。 いろいろなものが過剰に整頓され、 机には、ぺヤングソース焼きそばを中心に変な食材が並び、 宮崎あおいちゃんがカバーを飾る雑誌が二冊、特冊新鮮組DXが一冊、 かやしまの割引券、オールウェイズの割引券、保険の案内、 等があり、お二方の書置きに冷蔵庫にビールがあるとのことで、 確かに六個ある。 いや~、こりゃ一本とられた。 豪勢な宿代だ、、
空犬です。 あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いします。 昨年は、「吉っ読」誕生の年。あっという間の1年でした。たくさんの方に応援していただいて、こうして新しい年を迎えることができました。「吉っ読」の3店で本を買ってくださった読者のみなさま、「吉っ読」を応援してくださった版元&他地域の書店のみなさまに、あらためて御礼申し上げます。 「吉っ読」立ち上げにあたってはたくさんの方のお力をお借りすることになったのですが、とりわけ、酒飲み書店員の会(千葉会)のみなさま、ブックオカのタカクラ様には、多くの有益な情報をご提供いただき、参考にさせていただきました。ありがとうございました。 花本会長が書いていましたが、「吉っ読」の2008年は、幸運なことに、「三冠王」作品『ショートソング』が朝日新聞書評欄に取り上げられるといううれしい事件で始まりました。すでにお店にはその記事を読まれたと思われるお客様からの問い合わせもあったと聞きます。各店には、サイン本やサイン入りハガキ、枡野さんの受賞エッセイが読める小冊子などの用意もあります。ただ、店頭での有無や出している期間は各店によりますので、くわしくは、BOOKSルーエ、弘栄堂書店、リブロ吉祥寺店の各店にお問い合わせください。  もう1つ、「吉っ読」、メディア関係の報告です。1/4の19:30頃、「むさしのFM」のラジオ番組に、リブロ吉祥寺店の筒井さんが出演したそうです。タワーレコード、新星堂、吉祥寺シアターら、同じ吉祥寺のお店・施設の担当の方も出演されたとのこと、吉祥寺者としては当然チェック必須だったはずなんですが、残念なことに、我々メンバーは誰も聴けませんでした(泣)。どなたか番組をお聞きになった方、録音された方などいらっしゃいましたら、ぜひコメント欄にてご一報いただけるとうれしいです。 というわけで、吉祥寺書店員の会「吉っ読」、あらためまして、本年もよろしくお願いします。
ルーエ花本です。 朝日新聞の売れている本を紹介する記事で 「ショート・ソング」がとりあげられてました。 今日1月6日の朝刊です。 (リブロ筒井さんがおしえてくれて記事のコピーももらいました。ありがとう) ナツヨミにもふれてくれていて非常に嬉しいです。 さらなる増売のチャンスです。 こんな具合でした。 一部抜粋です。 ↓ 昨年の夏、吉祥寺の3書店が合同で書店員オススメの文庫のフェア「ナツヨミ文庫カーニバル」を開催したところ、本書が全店で売り上げトップの「三冠王」に輝いた。実在のカフェが多数登場し、ご当地小説としても楽しめる。 既に幾度かお客様からのお問い合わせがありました。 追い風ですよー
あけましておめでとうございます。 ルーエ花本です。 旧年中はみなみなさまにお世話になりどおしでした。 生まれたての「吉っ読」のリアルな試行錯誤に お付き合いいただくことになってしまったみなさん、 大感謝です。 まだまだ未熟な「吉っ読」を本年もよろしくおねがいいたします。 初詣でておみくじを引くと「吉」とでました。 縁遠くなっていた友人から年賀状が届きました。 のだめの再放送を観ました。 独特のお正月時間がゆるりと流れておりました。 さて明日は出勤。 働きマンの出番。
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