空犬です。昨日の続き、「ナツヨミ文庫カーニバル2008」、各店の売上げベストの発表です。じゃじゃーん。
BOOKSルーエ
- 1. 『快楽主義の哲学』
- 2. 『蘆屋家の崩壊』『もののたわむれ』
- 4. 『永遠も半ばを過ぎて』
- 5.『小春日和』
弘栄堂
- 1. 『半生の記』
- 2. 『るきさん』
- 3. 『文房具56話』
- 4. 『ちぐはぐな身体』
- 5. 『快楽主義の哲学』
リブロ
- 1. 『ちぐはぐな身体』
- 2. 『快楽主義の哲学』『るきさん』『ほかに誰がいる』
- 5. 『もののたはむれ』
各店の客層を反映したおもしろい結果となりました。今回は、三冠王こそ生まれませんでしたが、著者では澁澤龍彦の健闘が、文庫レーベルではちくま文庫の健闘が目立ちました。また、内輪の話になりますが、選者ではOB山本くんセレクト本が複数ランクイン、見事な選球眼を見せてくれました。
「今回はきびしかった……」と話すのはルーエ花本会長。去年のナツヨミは1F入り口脇での展開でしたが、今年は、2F文庫フロア、通称花本棚、言わば自分の庭での展開だったわけですが、やはりそこはお店の入り口には目立ち方、お客さんの立ち寄り方ではかないません。展開場所でこんなにも違うのかと勉強させられることになりました。
展開場所の点で成功したと言えそうなのは、弘栄堂とリブロ。弘栄堂は去年と同じ、改札に近い方のレジの斜め前あたりの平台。スペース的には広くはないのですが、コンパクトなスペースに本がぎっしり並び、ポップが林立したことが目を引くという点でプラスに働いたようです。平台の隣半分で、中央線本・吉祥寺本・杉浦さやかさんのイラストエッセイ本など、フェアの何冊かと共通するテイストの本が並んだのも相乗効果を生んだようです。『るきさん』の健闘はまさにその結果、と言っていいでしょう。
リブロもくだりエスカレータを降りてすぐの、実にいい場所での展開でした。弘栄堂と同じで、平台のサイズ自体はさほど大きくはないのですが、そのために、並べた本全体が一望できることになりました。わたくし空犬は、フェア本を並べてすぐと、しばらくたってからと3回ほど取材、行くたびにポップが増えていくのを目撃しているのですが、ポップが増えてからのほうが、コーナーの魅力が増していたように感じました。弘栄堂同様、狭いエリアにずらりとポップが並んだのが壮観で、離れた場所からでも、なんかありそう、という感じが伝わるディスプレイになっていたのです。
ポップは後列の本を隠してしまったり、本を取りにくくしてしまったりなどのデメリットもあるといいますが、今回のフェアでは、ポップ林立のにぎやかさは、2店ではあきらかにプラスに働いたようです。
選書の観点から言うと、今回不調だったのはSFと通巻物のコミック。続きのコミックの特定の巻が混じっているのは試みとしてはおもしろいと思ったのですが、やはり文庫フェアのコーナーで、いきなりお客さんに手にとっていただくのはむずかしかったようです。あと、個人的にはSFの苦戦はくやしいです(去年今年とも外文枠は空犬が担当)。最近は外文文庫がセールス的に厳しいのは承知のうえで、あえて、去年はスタージョン、今回はティプトリーと、質の点では申し分のないセレクトで挑んでみたのですが、見事轟沈(涙)。
あと、高額の文庫、厚すぎる文庫も、短期間のフェアでは不利なようでした。このあたりの結果は、ぜひ各店でよくよく分析して、今後のフェアはもちろん、文庫のレギュラー棚の構成にも活かしたいところですね。
あと、共通セレクト30点には選ばれなかったのですが、結果的に、3店とも独自枠として加えたかたちになった『バーボンストリート・ブルース』は全店で健闘したようです。フェア本と同列でのカウントはしていないのですが、それこそ上位に入る勢いだったようです。
けっこう力を入れて作ったフェア冊子も順調にはけたとのこと。作り手としてはうれしい話です。ちなみに、フェア冊子、まだ少し余分がありますので、フェア中に入手しそこねた、という方は、BOOKSルーエ花本氏までお問い合わせください。

今回、3店でフェアをのぞいてくださった方、また、フェア本を購入くださった方、よろしければ、ぜひフェアの感想などお寄せいただけるとうれしいです。選書について、店頭のディスプレイについて、冊子やパネルについて、なんでもかまいません。みなさまからのご意見ご感想、吉っ読一同、お待ち申し上げております。
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空犬です。明日7/23は、いよいよハリポタ、ですか。店頭は大変そうですね。書店員のみなさん、がんばってください。
さて、ご報告がすっかり遅くなっておりました。6月に開催しました吉っ読のフェア「ナツヨミ文庫カーニバル2008」6月末(一部店舗では7月初旬)に無事終了いたしました。3店でフェア商品をお買い上げくださった皆様、本当にありがとうございました。
で、各店で何がどんなふうに売れたのか、フェアの結果を発表したいと思います。まずは、フェアのリストから。こちらをどうぞ(行末のかっこ内は推薦者)。
「ナツヨミ文庫カーニバル2008」の30点!
- 朝倉かすみ『ほかに誰がいる』(幻冬舎文庫)(BOOKSルーエ・花本)
- 中島らも『永遠も半ばを過ぎて』(文春文庫)(BOOKSルーエ・花本)
- M・エルンスト作 巌谷国士訳『百頭女』(河出文庫)(BOOKSルーエ・花本)
- 津原泰水『蘆屋家の崩壊』(集英社文庫)(弘栄堂・新垣)
- 澁澤龍彦『高丘親王航海記』(文春文庫)(弘栄堂・新垣)
- 金井美恵子『小春日和 インディアン・サマー』(河出文庫)(BOOKSルーエ・佐藤)
- 池上永一『ぼくのキャノン』(文春文庫)(弘栄堂・野毛)
- 深沢七郎『楢山節考 改版』(新潮文庫)(弘栄堂・野毛)
- 村上龍『村上龍映画小説集』(講談社文庫)(弘栄堂・里見)
- 藤沢周平『用心棒日月抄』(新潮文庫)(弘栄堂・里見)
- 保坂和志『季節の記憶』(中公文庫)(空犬)
- 松浦寿輝『もののたはむれ』(文春文庫)(空犬)
- 紀田順一郎・東雅夫編『日本怪奇小説傑作集』2(創元推理文庫)(空犬)
- ジェイムズ・ティプトリー『愛はさだめ、さだめは死』(ハヤカワ文庫)(空犬)
- 本橋信宏『裏本時代』(幻冬舎アウトロー文庫)(BOOKSルーエ・花本)
- 椎名誠『わしらは怪しい探険隊』*(角川文庫)(BOOKSルーエ・花本)
- 串田孫一『文房具56話』(ちくま文庫)(荘司)
- 鷲田清一『ちぐはぐな身体 ファッションって何?』(ちくま文庫)(BOOKSルーエ・藤岡)
- 澁澤龍彦『快楽主義の哲学』(文春文庫)(BOOKSルーエ・藤岡)
- 九鬼周造『「いき」の構造』(講談社学術文庫)(BOOKSルーエ・藤岡)
- 柴田哲孝『下山事件 最後の証言完全版』(祥伝社文庫)(弘栄堂・岡田)
- 潮凪洋介『モテ★モーション 男をトリコにする“愛されしぐさ”全集』(ソフトバンク文庫)(弘栄堂・岡田)
- 松本清張『半生の記』(新潮文庫)(弘栄堂・里見)
- 北島行徳『無敵のハンディキャップ 障害者が「プロレスラー」になった日』*(文春文庫)(リブロ筒井)
- 唐沢俊一『お父さんたちの好色広告』*(ちくま文庫)(リブロ筒井)
- 斎藤環『戦闘美少女の精神分析』(ちくま文庫)(リブロ筒井)
- 獅子文六『ちんちん電車』(河出文庫)(空犬)
- みうらじゅん『万博少年の逆襲』(河出文庫)(空犬)
- 高野文子『るきさん』(ちくま文庫)(BOOKSルーエ・藤岡)
- ゆでたまご『キン肉マン』5(集英社文庫)(BOOKSルーエ・福井)
これが3店共通の30点です(上記リスト中、*は残念ながらフェア開始直前に品切れが判明したもので、実際には店頭に並べることができませんでした;涙)。このほかに、各店の独自セレクト本数冊を加えてのフェアとなりました。
で、3店の売上げベストですが、ちょっと長くなりましたので、明日アップします。
空犬です。先日6/1に始まりました「ナツヨミ文庫カーニバル2008」、もうご覧いただけましたでしょうか。これから、という方々のために、また、遠方から応援してくださっている方々のために、店頭の様子を、わたくし空犬がレポートしたいと思います。
まずは、2階文庫フロアで展開中のBOOKSルーエから(以下、店内の写真はすべてお店に許可を得て、空犬が撮影したものです)。

通称「花本棚」に並べられていますので、フェア本が周囲の花本セレクションに自然に溶け込んで、渾然一体となっている感じですが、パネル下の4段、手書きPOPが貼られた文庫が面陳になっているあたりがフェア本です。
まだ最初の1週間ということでそんなに目立った動きはないようです。1F入り口脇の棚で展開していた去年に比べると、フェア自体の認知が低いのかもと、花本氏はやや気にしていました。入り口には↓こんな看板(下左)も出ているのですが……。

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ナツヨミだけでなく、近くには三冠王特集コーナー(上右)や高田渡コーナーがあり、文庫スター第2階の受賞作『雨恋』も平積みです(この本のことは、後日あらためて紹介します)。ナツヨミはもちろん、それ以外も見所満載、本好きなら足を止めざるを得ないコーナーになっていますので、ぜひぜひルーエ2階文庫フロアに足を運んでいただけますよう、よろしくお願いします。
お次は弘栄堂書店。改札に近い方のレジ、斜め前あたりの平台で展開中です。


↑高田渡さんのポスターにやや押され気味ですが、これが目印(左)。本に添付のルーエと違って、こちらではPOPがずらり。にぎやかで楽しい平台になってます。

↑この角度からだと、乱立するPOPのにぎやかさ、手作り感がよくわかります。
写真には写っていませんが、平台の右半分は『吉祥寺食べある記』ほかの吉祥寺・中央線関連本が集まっていて、平台全体が吉祥寺らしいコーナーになっています。
気になる動きのほうですが、ちくま文庫が健闘中とのこと。今回のフェア30点には入っていないのですが、結局3店ともフェア周辺に並べる本にセレクトした高田渡さんの『バーボン・ストリーボ・ブルース』も好調のようですから、今回のフェアはちくま文庫が上位に集まるかも!? 売上ランクについては、フェア終了後に、フェアの書目を含めて、くわしくレポートします。
ちなみに、先の『雨恋』、弘栄堂では、こんなパネルも使って展開中です。こちらは後日あらためて紹介します。

最後は、6/5にいせや本店復活を応援するフェアを勝手にかついち早く立ち上げたリブロ吉祥寺店。↓こちらがフェア台。左奥には三冠王コーナーも見えています。


↑まだPOPはやや控えめ、でしょうか。でもこれから増えるとのことです(右)。
先の記事で、いせやフェアの近くには、三冠王あり、ナツヨミありで、吉祥寺一色だ、という主旨のことを書いたのですが、さらに、いせやフェア台の隣の台では、『グーグーだって猫である』4の刊行記念のグーグーフェアが盛大に展開中でした。いやはや。


↑6/5も紹介しましたが、鮮明な写真で再び(左)。グーグー好きは狂喜必至、間違えて重ね買いを連発しそうになるグーグー台。撮影しているだけで涙が……(右)。
吉祥寺関連を一カ所に集中させるという意味では、吉っ読3店中もっとも徹底しているのがリブロと言えるでしょう。なんかこの一角に立つだけでうれしくなりますよ。
気になる動きのほうですが、ここリブロでもやはり、高田渡本を含むちくま文庫が健闘中のもよう。ひょっとして、今回の三冠王はちくま文庫から生まれるか!?……結果が楽しみです。
というわけで、このような感じで各店、にぎやかに楽しく展開中です。ご覧のように、フェア本は共通でも周りには各店独自の本がたくさん並んでいますし、フェア台の作り方もお店によって雰囲気がずいぶん違います。吉祥寺にお寄りの際は1店と言わず、ぜひ3店ぜんぶを回ってみてください。きっと楽しい書店巡りになること請け合いですよ。
空犬です。明日から始まるフェア、一昨日も書いたばかりですが、もう1回、宣伝させてください。昨年夏に続いて2回目、吉っ読のフェアとしては3回目となる「ナツヨミ文庫カーニバル2008」、明日6/1(日)から吉っ読3店で始まります!
ナツヨミ文庫カーニバル2008
期間:2008年6月1日(日)~6月末頃
場所:BOOKSルーエ
弘栄堂書店吉祥寺店
リブロ吉祥寺店

BOOKSルーエは2階文庫フロアで、弘栄堂書店は改札に近い側のレジ斜め前、リブロはエスカレータを降りてすぐの右脇あたりでの展開を予定しています。上のパネルと下の冊子を目印に探してみてください。

一昨日の記事にも書きましたが、今回は、3店共通の本のほかに、各店担当が吟味した、それぞれのお店独自のセレクト本も並ぶことになります。いつも行くお店、通り道のお店、だけでなく、ぜひ3店を回ってみてください。思いがけない本に出会えるかもしれませんよ。
たくさんの方のご来店を、吉っ読一同、心からお待ち申し上げております。
空犬です。お待たせしました。昨年夏に続いて2回目、吉っ読のフェアとしては3回目となる「ナツヨミ文庫カーニバル2008」が、6/1(日)から、吉っ読の3店、BOOKSルーエ、弘栄堂書店吉祥寺店、リブロ吉祥寺店で始まります。

↑ナツヨミ中のぶっくん(by Hideyuki NOMO)。
今回は、吉っ読が自信を持っておすすめする3店共通=コアセレクトの文庫30点を用意しました。フィクションあり、エッセイあり、コミックあり、エンタメノンフあり、トンデモすれすれ本ありと、前回同様、ユニークなおもしろ本がたくさん集まりました。
じゃーん、こちらが今回の冊子です。3店で色分けしてみました(中身は同じです)。フェア30点にどんな本が選ばれているかは、この冊子をご覧ください。冊子はもちろん無料ですので、3店店頭で探してみてください。

去年のナツヨミと違うのは、共通の30点に加え、各店担当者が独自に選んだタイトルを加えた、ナツヨミ拡大版になっているところ。ナツヨミ30点は同じでも、隣に何を並べるか、関連本に何を用意するかは各店担当次第。いったいどんな本が選ばれているのか、どの文庫の隣にどんな文庫が並んでいるのか、そして、ナツヨミ文庫30点が各店でどんなふうに、そして何点に拡大しているのか……いつものお店、ひいきのお店だけではなく、ぜひ3店全部を回って、たしかめてみていただければと思います。
フェアの30点ですが、実は残念なことに、開始直前になって判明した品切れ本があり、実際は30に少し足りなくなってしまいました。でも、そこはあえて本を選び直すことはせず、こんな本も吉っ読では売りたかったんだ、というのがわかるようにと、冊子にはそのまま残してあります。品切れ本で欠けてしまった分は、各店が独自セレクト本で工夫、品切れ本の不在を感じさせない内容になっているはずです。
夏といえば、書店的にはやはり新潮社・角川書店・集英社の夏文庫。それよりもひと足早いこの吉祥寺の夏文庫「ナツヨミ文庫カーニバル2008」は、ひと月ほどの予定です。みなさまのお越しを、吉っ読一同、お待ち申し上げております。