空犬です。ブックンロール当日は、トーク2「なぜ書店員はPOPを書き、フリペをつくるのか」の資料として、空犬が個人的に集めた書店発のフリーペーパーをまとめて、「空犬フリペコレクション」として、お客さんに配りました。当日お配りしたフリーペーパーをご紹介します。
*以下は、書店発のフリーペーパー(以下「フリペ」)をこよなく愛する空犬が、あくまで個人的に集めたものです。そのため、地域の偏りがあり、もとより網羅的なものではありませんので、有名なものが抜けているなどあるかもしれませんが、ご了承ください。
*それぞれのフリペは、各店のご好意で提供いただいたものです。製作部数にかぎりがありますので、セットに同封できなかった場合があります。当日ご参加くださった方で、受けとっていないものがある!という方もいらっしゃるかもしれませんが、あしからずご了承ください。
*最新号の号数やご担当など、情報は2010年7月末時点のもので、かならずしも最新の情報でない場合があります。
*それぞれのフリペの入手や、内容などの詳細は、発行店にお問い合わせください。
『ルーエの伝言』
発行:BOOKSルーエ/担当:花本武さん
発行頻度:ほぼ月刊/最新号:35
「吉っ読」日記をご覧になっている方にはもうおなじみの、吉祥寺を代表する(?)脱力系書店フリペ。途中の号までは空犬もお手伝いしていました。ホッチキスを使わない、工夫された折りにも注目。

『季刊めくる』
発行:BOOK EXPRESS ディラ上野店/担当:長谷川仁美さん
発行頻度:季刊/最新号:5
同店POPでもおなじみ、長谷川編集長のパワフルな描き文字と、官能方面の充実ぶりが強烈な印象を残す、ユニークなフリペ。空犬も寄稿させてもらったことがあります。同店には、コミック関連の情報をまとめた「月刊こみっぺ」もあります。

『メクルエデン』
発行:BOOKSルーエ+ブックエキスプレスディラ上野店
担当:花本さん・長谷川さん
発行頻度:年刊/最新号:2
吉祥寺+上野、奇跡(?)のコラボで生まれた、お店の枠を超えた2店合作フリペ。地域的に離れていて、チェーンなどの関係もない2店が合同でこうした販促物を持ち出しで作るというのは、きわめてめずらしいケースかと。年に1回と言わずに出してほしいものです。

『吉祥寺上空』
発行:弘栄堂書店(*閉店)/担当:里見勝治さん
発行頻度:不定期/最新号:―
吉っ読スタートメンバーの1つだった弘栄堂書店。2008年11月に閉店してしまった同店で出していたフリーペーパーには『月刊弘栄堂書店』がありましたが、この『吉祥寺上空』は、その増刊的なフリペ。今回、特別に「増刷」してもらったので、表紙には「復刻版」の文字が。

『おに吉古本案内』
発行:興居島屋(*閉店)/担当:岡崎武志さん
発行頻度:不定期/最新号:Vol.4
問合せ先の、西荻窪にあった古書店「興居島屋」さんは閉店、同じ場所に、8月中旬に「なずな屋」さんがオープンしています。そのほか、掲載のお店の情報に変わっているところがあるので、冊子に掲載nお店を訪問される際はご注意を。

『淳久文藝倶楽部』
発行:ジュンク堂書店新宿店
担当:三瓶ひとみさん・村尾さん・木村さん
発行頻度:不定期/最新号:(号数表示なし)
三瓶さん・村尾さんが内容を、描き文字・デザインを木村さんが担当。当初はオール手書きでした。「ルーエの伝言」とは違うスタイルの、ホッチキスを使わない折りの工夫も。

『往来っ子新聞』
発行:往来堂書店/担当:日比藍子さん
発行頻度:たぶん週刊/最新号:5?
オール手書きがいい味を出しています。「新聞」だけに、手書き広告が下にずらりと並んでいるのも楽しい。

『う~りん新聞』
発行:有隣堂ルミネエスト新宿店(*閉店)/担当:高橋統さん
発行頻度:月刊/最新号:―
これがなければ「ルーエの伝言」は生まれませんでした。残念ながら、発行店は閉店してしまいましたが、そのスピリットは他店に引き継がれ、今も吉祥寺他で生きています。

『おすすめ本処かわら版』
発行:旭屋書店本店/担当:山口麻友さん
発行頻度: /最新号:
単なる新刊情報をあきらかに逸脱したオール手書の文章と内容、そしてこのデザイン……すてき過ぎます。当日配った号は記念号。

『ブックマーク』『B.G.M.』
発行:ブックファースト梅田店
担当:北林 亜希子さん・森さん(ブックマーク)
発行頻度: /最新号:
マンガ・字が森さん、中身は北林さんが担当。A4で1枚のシンプルな造りながら、手書きにマンガもついていて、味のあるフリペ。
一方「B.G.M.」は同じ店のフリペで、同じ手書きですが、テイストが違っていて、そのままPOPに使えそうな情報がぎゅっと凝縮されています。


『文芸と文庫通信』
発行:紀伊國屋書店本町店/担当:萩本愛子さん
発行頻度:月刊/最新号:Vol.59(2010.7)
空犬が関西でフリペを探して回るきっかけになったもの。読みやすくユニークな描き文字、オールカラー、A3を横1面に大胆に使ったデザイン……個人でつくるフリペのレベルを完全に超えています。空犬が全面的にリスペクトしてやまない、関西書店発フリペの頂点的存在。

いかがでしょうか。もちろん、書店で出しているフリーペーパーはこれだけではありません。空犬が知らないものもまだまだたくさんあると思います。書店員さんたちが自分の時間を削って作っているこれらのフリペには、単に新刊の情報を伝えたいとか、そういうレベルをはるかにこえた情熱というかパワーというか、そのようなものが感じられます。書店にいったら、新刊台やレジの回り、無料PR誌などを並べたラックに、こうしたフリーペーパーがないかどうか探してみてください。書店の回りの楽しみが増えること、確実です。
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